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佃島ふたり書房

 読売新聞人生案内の一愛好者として、出久根達郎の作品を一冊でも読みたいと常々思っていた。直木賞受賞作である『佃島ふたり書房』が最有力である。一回、図書館から借りて読み始めたのだが、何が面白いのか理解できず、いつの間にか返却期限が迫り、かつ次の予約が入っていて延長できず、それっきりになっていた。この年末年始の休みに再挑戦ということで借りてみると、普段よりも一週間余計に借りられるようでゆっくり読めそうだ。しかし油断せず、つまらなくとも毎日少しずつ読み進めようと決意した。直木賞受賞作というからには区内の図書館全てに単行本か文庫本ぐらいあるかと思っていたのだが、一番大きな図書館の書庫資料として一冊あるに過ぎなかった。初版は1992年10月で僕が大学生の頃だから、そんなに古いわけでもない。手元に届いたのは翌年2月の第4刷の単行本なので、受賞決定後に刷られたものと思われる。「書庫で保存している貴重な資料です」なんて書かれた栞が挟まれている。直木賞の面目丸潰れではないか。さてさて小説の内容であるが、僕の趣味に合わない気持ち悪いもので、二度と読みたいとは思わないが、一方で次は何が書かれているのかと気になりながら、正直、怖いもの見たさの楽しみで読んだ。中学を卒業して古本屋に勤めたという著者の経験が必要以上に活かされていて、僕のような常人に編みだせるような話ではない。僕の好きな人生案内回答者としての一面も見られなかったが、読み終えて振り返ってみると、ああいった濃い人生経験あるいは空想あっての奇抜な回答だったのだろうと思い知らされ、改めて出久根達郎という男の凄さを感じることができた。ダクばあさんが死ぬ前に語った言葉が印象的である。「あたしらの仲間に加われ、とはすすめん。加えたくとも、資格を問われるから無理だ。ただ、あたしらのような者が、こうしてひそひそ活動していることを胸にしまっておいて、お前の励みにしてほしい。お前は、やりたいことを信念をもって続けるがよい。正しいか正しくないことかは、浮世の評価ぞ。ひとつことをつらぬく一念こそが、現世の正義ぞ」ここに引用させてもらう。
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