スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

天地明察

 ずっと見たいと思っていた映画があった。『天地明察』である。そろそろテレビでやらないかと、番組表とにらめっこしていたのだが、なかなか放映してくれない。そんな時、友人と算額のことを話していて、なんで算額を知っているのかといえば『天地明察』を読んだからだと言っていた。そうか、映画なんか見るよりも原作を読んだ方が楽しそうだ。なぜそういう発想に至らなかったのか。さっそく図書館で予約し、文庫本を読み始めたら確かに算額の話である。いや、とにかくこの本には最初から異様に惹きつけられた。この冲方丁という著者は僕よりずっと若く、早大一文中退とのことだが、それが信じられない。目下、科学業界は捏造などの研究不正に大騒ぎであるが、そんなことは何ほどのことがあろうか。ここに見事に描かれている科学の魅力が、いつの間にか忘れてしまっていた自然を理解することに対するあの興奮を蘇らせた。この齢になって碁を嗜んでいるが、今やそれはこの小説を楽しむためであったとしても過言ではない。人間関係、特に師弟関係の描写も考えさせられるもので、特に関との対面の場は圧巻である。そして後に関に語っている。「弟子入りします。それが一番の手でしょう。相手の物を奪うからには、まず頭を下げるべきです」と。主人公の渋川春海に惹かれることはもちろんであるが、なぜ科学の本質をあれ程までに理解している冲方丁という男が何を考えて早大一文などを選んだのか。古文を教えていた高3の時の担任は早大一文卒だったが若い僕らに「あんな学部にだけは行くな」などと言っていた。それがこの小説を世に出すためだったとすれば大きな意味があったのかもしれない。文庫本下巻の最後には養老孟司が一筆添えているが、明らかにこの若者に対して嫉妬している。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

Glires

Author:Glires
生物学者の端くれ

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

天気予報

-天気予報コム- -FC2-
アクセスカウンター
水槽
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。