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蒼穹の昴

 職場の友人が学生だった頃、本屋で山積みになっている単行本を取り上げ立ち読みし、すぐに気に入ったというのが浅田次郎の『蒼穹の昴』だったらしい。その語りっぷりからよほど惚れ込んでいるようだったし、また浅田次郎の作品はまだ手をつけたことがなかったので、いずれ読んでみようと思っていた。「蒼穹」などということばは初めて聞くが、いったい何の話か。情報なく図書館で文庫本を借りて読み始めた。清朝末期の中国の話である。それまで読んでいたのが『竜馬がゆく』で、時代が少しだけ流れて舞台が中国に移った。僕の嫌いな占いの話が導入でやや抵抗があったが、しだいにのめり込んでいった。龍馬の話が全体を通して爽やかだったのに対し、こちらは宦官だのと陰鬱な雰囲気が漂う。中国に関しては興味を持ちつつも、中学や高校で習った程度の知識しかなかったが、それを膨らませてくれる点でこの小説は興味深かった。科挙の描写など、本に釘付けされてしまう。実在の人物と架空の人物を混在させて壮大なストーリーが作り上げられる。史実を知りたいという好奇心もあるが、この小説を読むことに夢中になっていると、そんなことはどうでもよくなってくる。しょせん史実だって、学者たちが自分の都合で作り上げたフィクションであることも多い。そんなことを思っていると李鴻章が登場し、その偉大さが誇張して書かれ、話の筋はそれてくる感もあるが、ジュゼッペ・カスチリョーネや乾隆帝の話がうまく挿入され、全体を整えている。最後は2ページにわたって主要参考文献が載せられている。そんなに多いわけではないので全部読んでみたいところだが、僕の人生にそんな時間は与えられていないだろう。さらにその後には解説と称して陳舜臣の10ページに渡る文章が添えられているが、『蒼穹の昴』に対しては何の解説にもなっていない。著者自身の解説を聞いてみたい。
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