ヒグマに鉈

 神戸から東京に戻り、自宅に向かう電車の中。本を読もうと思ったが鞄の中に見当たらない。しまった、新幹線の中に置き忘れたに違いない。翌日、JR東海に電話をかけたら、前日の忘れ物の登録が終わっていないと言われ、今日も再び電話をかけたのだが、残念ながら届いていないとのこと。それなりの大きさの本なのだが、ハードカバーでなく、安っぽい書店の紙カバーをかけっ放しだったのがよくなかったか。ただの本ではない。13年前に友人からもらった本だった。もらった時に、ざっと一通り読んだのだが、また目を通したくなった。驚いたことに、前回読んだことを全く覚えておらず、書かれていること全てが初見であるかのようだった。人の記憶などそんなものか。さてその本、意図せず突然に失ってしまい、タイトルすらはっきりしないのだが、ネットで調べておそらくこれだろうと確認できた。門崎允昭と犬飼哲夫による『ヒグマ』、北海道新聞社から出されている増補改定版で、2000年発行だから矛盾しない。半分辺りまで読んでいただろうか。ちょっとだけメモしていたことがあるので、ここに記しておく。ヒグマとの遭遇を避けるためには鳴り物がきわめて役立つ。よくラジオを鳴らしたまま歩いている人がいるが、クマが接近してきた場合に音が障害となって感知しえないことがあるのであまりよくないらしい。そして今回知った最も重要なことは、 遭遇してしまった場合に現状合法で役に立つのは鉈(なた)以外にはないということ。この辺りのことは、くどく、そして説得力を持って語られている。決して逃げず、対峙して話しかけるのがいいらしい。ヒグマと言ってもヒト同様個性があり、襲ってくるような獰猛なヒグマは著者らの計算によると千頭に一頭いるかいないかの割合らしい。奴らはヒトだけでなく同種の他の個体との遭遇も嫌い、母子や発情期以外は単独行動が普通なのだ。それでも襲われたら、あるいは不意に襲われた時に役に立つ可能性が大きいのが鉈。以後、北海道の山に登る時には鉈を買って持って行こうと固く決心した。ヒグマの歯には年輪があるらしく、年齢を知るために抜歯するそうだ。他のクマと比べ分布は広く、かつては北アフリカまで棲息していたとのことである。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

Glires

Author:Glires
生物学者の端くれ

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

天気予報

-天気予報コム- -FC2-
アクセスカウンター
水槽