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伊達の黒船

 帰省の度に楽しみにしている『酔って候』、今回は3編目の『伊達の黒船』を読んだ。伊達とは仙台藩のではなく、四賢侯に数えられる宇和島藩主伊達宗城の方であろう。冒頭には宇和島城下で暮らす貧乏臭い、苗字を持たぬ嘉蔵という四十代の男が出てくる。この男、いかにも胡散臭い。全4編に渡って喜劇がテーマになっているらしいので、こいつが何かやらかすのか。それにしても町人以下である裏借家人、平人としては最下級の男を持ち出すとは。司馬の脚色もあろうが、最初はたいへんな笑い話になるのではないかと変な期待を持ってしまった。そして宗城が登場する。これまで最も馴染みの薄い四賢侯だったが、この短編を読むだけでも宗城の様子がよく分かる。ひどく親切で大名家の調停などをすることによりかなりの社交能力を持っていたらしい。黒船を作れないものかということで、例の嘉蔵に話が回ってくるわけだが、まさかまさか、蒸気機関を作り上げるに至るとは。手が器用なだけで、読み書きはできたのか。オランダ語など知る由もない。そんな中年男が多くの侍に見下されながらも、数人からの理解と期待を受け、どうれだけの勉強を積み重ねたのか。船が動いた時の感動と狂気は、不覚にも小便を漏らしてしまうほどだったなどと書かれている。前原と名乗り、九俵をもらうようになった。幕末にそんな中年男がいた。
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